篠籠田三匹獅子舞について
三匹獅子舞は篠籠田に伝わる伝統行事で、毎年8月16日の西光院大施餓鬼会の日に、祖先の霊をなぐさめ五穀豊穣と家内安全を祈願して、境内にて舞を奉納するものです。また雨乞いの舞ともいわれ、古くから「篠籠田の三匹獅子の日は、三粒でも雨がふる」と言われています。
篠籠田は利根川に沿った沼沢地で水田耕作には最も適し、古くから稲作が発達していました。米作りを生業としていた農民にとって水はきわめて大切で、水を支配するといわれる竜神信仰がうまれました。そのため、篠籠田の獅子は竜神をかたどる「竜頭の獅子」であります。
舞の構成は、まず猿・狐・ひょっとこによる「猿舞」で始まり、猿舞の終わりに「塩まき」が行われ場を清めます。次に雄獅子・雌獅子・中獅子の3匹の獅子が一緒に舞い、その後、それぞれ1匹ずつの舞になり、最後のクライマックスは「精進返し」として、4人の「花笠」の間を三匹の獅子が舞い、またそれに合わせて「念仏」と称される七五調の文句を唱えます。なお念仏は、舞われる場所に応じて内容が異なっており、西光院では「大寺の香の煙は細けれど天にかえりて黒雲となる」という歌詞が詠じられます。
この獅子舞は、元禄(1688~1704)頃から始まったといわれています。本来雨乞いを目的としていたものが盆行事と結びつき、仏事化して華やかになっており、三匹獅子舞としては特色のあるものであります。
昭和50年12月12日、県指定無形民俗文化財として千葉県指定の郷土芸能になりました。